日本財団 図書館


 

■魅力のある建物
(1)もうしばらくここに居たい空間づくり
集団訓練を主たる目的としていた青年の家は、住み心地が悪かった。病院で使用するようなベッドが並び、かび良く、陰湿な環境のところが多かったように思う。
これからの施設は備品等にお金をかけるべきであろう。少なくとも、宿泊室や研修室・食堂・浴室等は利用者の日常生活を下回る環境は避けるべきである。しかし、自然に近い形の方が望ましいものもある。往々にして施設を知らない人が作ると間違いが起こる。既存の施設にしても職員の創意によって居たくなる環境作りは可能であろう。

 

(2)複合施設はいかが
創立30周年間近な施設は立て替えを協議するようになる。青年の家は青年を中心とした利用者から幅広い年齢層の学習を支援し、知縁づくりを推進する役割を持つ。整備に当たっては幼児から高齢者までが集えるような視点で幼少年や成人・高齢者を対象とした施設、学校や教育機関・企業等との複合を視野に入れた施設整備を検討し、具体化していく時代ではないだろうか。

 

■学社融合の先導者
手前味噌に思われるかも知れないが県立東金青年の家と本課の事業を紹介する。東金青年の家が小学生を対象に「東金学寮」事業を始めて10年ぐらいになるだろうか。10日間青年の家で寝食を共にしながら学校で学ぶのである。県内の施設に広がりつつあるこの事業は学校を開き、子供たちの自己生活力を育む学社融合の先駆的な役割を果たしている。
また、本課で実施しているハートtoハート・リフレッシュセミナー(登校拒否児童生徒等宿泊研修事業)は登校拒否児童生徒に対して、豊かな自然環境の中で学校では得がたい各種の生活体験などを通して主体性を、保護者には悩みや心を語り合い家庭の在り方を考える機会をと、千葉大学の教育学部や教育センター等と共催で実施している。
青年の家がコーデネーション能力を高め、社会に関わっていく21世紀は施設が一段と輝きを増す時であろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION